テレビなどのメディアでよく言われている働き方改革。
残業を減らす。有休消化日数を増やす。多様な働き方を取り入れる。
でもそれってみんなが幸せになれるのでしょうか。
もちろん残業を減らしたり、有休休暇が増えれば仕事の負担も減ってプライベート充実。
多様な働き方ができれば子育ての時間もとれる、介護の時間もとれる。
いいことづくめなような気もします。
でも少し自分の周りへの影響、そしてまわりまわって自分に返ってくる影響を考えてみましょう。
自論ですが今の日本の社会の許容度では働き方改革は難しいのではないかと思います。
ドイツの働き方と日本の働き方を比較して話をしたいと思います。
労働者天国!ドイツの働き方
基本的に定時退社
17時になったら仕事が残っていても「お疲れ様~」って言って帰っていく人が大半です。
もちろん残業する人がいないわけではないのですが、そんな人はよほど昼にさぼっている人か仕事多くて責任感が高い稀な人です。
日本のように「上司が残っているから」とか、「やることがまだあるから」と言って残っている人はいません。
有休は与えられた日数を全部消化
有休は基本的に全消化です。
日数も30日程度与えられることが多いようです。
特に休暇シーズンは2~3週間まるまる休みます。
日本はというと、有休は都市伝説。体調不良と親族の葬式しか使えない、なんてブラックな会社も多いようです。
20日程度与えられる会社で有休を推奨している会社でも、「最低5日はとりましょう」、「目標10日」などと使ってほしいのか使ってほしくないのかよくわからない会社もあります。
自分の与えられた範囲の仕事しかしない
雇用契約で仕事の範囲が決まっているので、びっくりするほど自分の職務範囲の仕事しかしません。
職務範囲から外れると「それは自分の仕事ではない」、「知らない」と協力を取り付けることは難しいです。
日本の会社だと誰がやるべきかわからない雑用とか、何となく担当を決めている仕事があると思います。
しかしそれらも契約になければやらなくていい。というかやらない権利があるのでやってくれません。
なんで気を利かせてやってくれないだといわれても、自分の仕事じゃないのにそもそもやれと言われている意味が理解できない人が多数だと思います。
労働者から見れば最高。でも違った側面で考えると・・・。
ドイツって最高じゃん。
働く人にいろんな権利がある・・・やるべきことが決まっている・・・やるべきこと以外は断れる。
そう、最高なんです。働く側から考えれば・・・・
取引先とか消費者はどうなる・・・
でも取引先とか顧客とか消費者とかサービスを受ける立場から考えてみましょう。
ケース1 問い合わせ
ある商品のことで問い合わせたとします。
しかし、担当者が休暇のため対応できません。今日から3週間休暇。
3週間待たなければなりません。
他の人に対応してもらいたい。問い合わせ先の別の人にあなたが対応するか、他の人に対応をお願いしてほしい。と頼んでみましょう。
「それは私の仕事ではありません。担当者は休暇中です。お待ちください。」
ケース2 取引先との商談
来週取引先とアポを取りたい。しかし、担当者は来週から休暇。
「商談の約束は休暇明けでお願いします」
3週間待たなければなりません。
ケース3 引っ越し後のインフラ申込
引っ越ししたのでインフラを整えたい。
インターネットを契約しよう。
「現在申し込んでから1か月程度かかります。休暇シーズンなので対応できるものが少なくて・・・」
待たなければなりません。
ケース4 家の設備の修理
トイレに問題が出て修理を申し込んだ
〇〇日に家に伺いますね。
この時たいてい時間指定はありません。そしていつまでたっても修理に来ない・・・。
一本の電話。
「前の修理が長引いたのであなたのところは別の日にしたい」
「えっ!何とかならないのか?」
「もう労働時間外なのでどうしようもない」
待たなければなりません。
というか電話来るだけましですね。音沙汰なくドタキャンして自分から問い合わせが必要な場合も・・・。
同じ社内でも・・・
また、同僚が育児休暇半年取りますといった場合。もちろん女性だけでなく男性も休暇を取ります。
しかも申し訳ないという気持ちも見せず、当然の権利だと言って行使されます。
そして仕事のしわ寄せはあなたに回ってきます。
当然上記のように休暇であきらめる仕事も出てきますが、数か月となるとさすがに誰かが代わりをしなくてはなりません。
自分だけ休暇取りやがってとか なんで私が、俺が・・・という感情があっても我慢して代わりをしなければなりません。
働き方改革として社会が許容できるか
上記の状況を働き方改革される方として許容できるでしょうか?
少なくとも今の日本の社会は許容できるようになっていないと思います。
自分のために働き方改革という前に、働き方改革して周りが不便になることを許容する、その考え方が浸透しないと働き方改革は無理です。
逆に言うと待たされても、サービスの質が下がっても、休む権利を当然のように行使されても、
「ま、しょうがないか」
といえる許容度を持つことが働き方改革につながるのかもしれません。
今の日本の社会を見ているとまだまだ時間がかかりそうです。
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